痔ろうで主人が長期入院!働き盛りの男性に多い痔ろうとは

痔ろうは、「痔の王様」とも呼ばれる治療が困難な病気です。昨年秋に風邪をきっかけに痔ろうを患った主人と家族の半年近くにわたる闘病記録をまとめてみました。疲労やストレスが原因になる痔ろうは働き盛りの人に多い病気。あなたは大丈夫!?

痔ろう(肛門周囲膿瘍)とは

痔ろうとは、直腸や肛門の感染症です。直腸や肛門に細菌が入り込み、膿が溜まってしまった状態を肛門周囲膿瘍といいます。肛門周囲膿瘍の症状が悪化し、肛門周囲に膿を排出するための穴ができてしまうと痔ろうになるのです。

痔ろうは痔の王様とも呼ばれるやっかいな痔で、自然治癒や市販薬での治療はできず、手術が必要になる大変な病気です。たかが痔と侮らず、ひどい痛みや発熱がある場合は、恥ずかしがらずに肛門科を受診することをおすすめします。

【体験談】主人が痔ろうと診断される

女性は筋肉量が少ないせいもあり、便秘に悩まされる人が多いといいます。逆に男性は、男性ホルモンによってストレスを受けやすいせいか、ストレス性の下痢や過敏性腸症候群に悩まされることが多いといわれています。

主人もまさにそのタイプで、普段から腹痛や下痢に悩まされていました。

きっかけはひどい風邪

昨年の秋、子どもが引いた風邪を貰ってしまったようで、私と主人はひどい咳に悩まされるようになりました。コンコンという軽い咳ではなく、そばで見ている人が心配してしまうようなひどい咳でしたが、病院で診てもらっても「ただの風邪」だといわれるだけ。病院で薬を飲みきってもなかなか咳は止まらず、ひと月以上咳が続いていたので、かなり体力が落ちていたのだと思います。

咳をするたびお尻が痛む

その頃、主人が「咳が出るたびにお尻が痛い」と言い出しました。咳をしてお尻が痛むという話など聞いたことがなかったので、最初は笑い話のように受け止めていました。ですが、痔の市販薬を使っても痛みが止まらない様子にだんだん心配になってきました。一度診てもらった方がいいと、恥ずかしいのか渋る様子の主人を無理やり肛門科へ行かせました。

肛門周囲膿瘍と診断され即日帰り手術

訪れた肛門科で、肛門周囲に膿が溜まっている「肛門周囲膿瘍」であると診断され、その場ですぐに膿を出す切開手術が行われたようです。局所麻酔はしていたものの、想像を絶する痛みを伴ったようで、帰宅後の主人は真っ青な顔をしてげっそりとやつれていました。

そして、私にこう告げたのです。

「切開してもまだ膿が出続けるようなら、痔ろうの可能性があるんだって。そうなったら、専門の病院に転院して入院して大がかりな手術をしなければならない」

思った以上に深刻な状況に驚き、膿が止まるよう主人と共に祈りつづけました。が、一週間経過しても膿は止まらず、再び訪れた病院で痔ろうと診断され、痔を専門とする病院に転院することになりました。

【体験談】痔ろうでの入院、手術

痔の手術で有名なその病院は、駐車場に車を入れるのにも並ばなければならない程混雑していました。病院内では、若い男性や女性の患者も多く見かけ、それまで痔といえば中高年の男性の軽い病気だと思い込んでいた自分の偏見を恥じたものです。

痔ろう手術の入院は21日間

あまり病気とは縁がなく、入院といえば出産の時の一回のみでしたが、友人知人の話を聞いて、手術のための入院は大体一週間から十日程度のものだと思っていました。

けれど、病院で告げられた入院日数はなんと21日間~。症状によってはもっと悪化する場合もあるようです。内臓摘出手術並みの日数の入院が必要なわけは、お尻は便という雑菌の塊を排出する部分なので、術後細菌感染の可能性が高いために、しっかりとした経過観察が必要だそうです。

入院、そして手術

当時まだ3歳の小さな子どもを抱えていたため、「子ども連れのお見舞いはなるべくお控えください」という病院には数回しかお見舞いにいけませんでした。

けれど、ベッドで寝ているだけの生活は自宅にいるよりも快適なようで、入院中の主人からは頻繁に状況報告の連絡が届きました。

半身麻酔での手術は、最初の局所麻酔の切開手術ほどの痛みはないようで、思っていたよりも楽だったそうです。診察段階ではかなり複雑な痔ろうではないかとの疑いもあったようですが、思ったよりも処置が簡単に済んだようで、入院の日程は延長せずに済んだことは不幸中の幸いでした。

問題は手術後。痛み止めが切れると猛烈な痛みが襲ってくるようで、術後三日は相当に苦しんだようです。

排便は看護師の付き添いのもと

手術で切ったばかりの肛門での排便は、痔ろう患者にとっては一大事。トイレに行く時は看護師さんの付き添いが必要だったそうです。手術後しばらくは、痛み止めを飲んでいても排便が苦しいらしく、一度トイレへ行くと30分ほど戻ってこないような大変な作業だったようです。

【体験談】退院から完治まで

入院中安静を心がけていたおかげか、予定通り21日で退院できた主人。手術から二週間近く経っていましたが、歩くのはヨロヨロ、お尻を庇いながら寝ていることしかできない状態なので、そこから更に二週間ほど自宅療養の必要がありました。

育ち盛りの子どもの食事とは別に、なるべく繊維質の食材は避けた消化に良いものを作らなければならないので、妻としてはこの時期が一番大変でした。

診断から完治までなんと4か月

その後も経過観察のための通院は続き、もう通院の必要がないと言われたのは3月に入った頃でした。秋に引いた風邪が原因でお尻が痛みはじめ、11月に近所の肛門科を訪れてからなんと4か月。たかが痔とは思えないほどの長く苦しい戦いでした。

数々の症状に苦しんだ主人は勿論、幼いながらに我が家に起こった異変に気付き、ストレスで体調を崩して大学病院に通うようになってしまった息子と、二人のフォローをこなした私にとっても、長く苦しい4か月間だったと思います。

今のところ後遺症や再発の気配はない

痔ろうは再発しやすい病気だと言われていますが、あれ以来主人も体調管理に気を配っているせいか、再発しそうな気配はありません。括約筋がゆるくなるなどの、痔ろうの手術で心配されるような後遺症もほとんどないそうです。手術した病院が、この地域では痔の手術では有名な病院であったことも幸いしたのだと思います。

こんな人は要注意!痔ろうになりやすい人

「たかが痔」と侮ることができない恐ろしい痔ろうですが、痔ろうになりやすい人にはこんな傾向があるといわれています。疲労やストレスが溜まっている働き盛りの男性は、特におなかとお尻の健康にも気を配りましょう。

男性

痔ろうの患者は、8:2という圧倒的な割合で男性に多いそうです。痔ろうの原因となる細菌感染を引き起こすのは下痢だといわれているので、下痢を起こしやすい体質の人に多いのです。

20代~40代

高齢者よりも、働き盛りの世代に多いことも痔ろうのひとつの特徴だと言われています。仕事によるストレスや、アルコールが下痢を引き起こしやすいためだと考えられています。

免疫力が低下している人

ストレスや疲労が蓄積して免疫力が低下していると、細菌感染を引き起こしやすくなり、肛門周囲膿瘍を起こしやすくなります。長引く体調不良は放置せずに、きちんと診療機関へ掛かり治療することをおすすめします。

こんな症状があったらすぐ病院へ

お尻を人に見せることへの恥ずかしさから、肛門科は他の病院よりもずっと敷居が高く感じますが、肛門周囲膿瘍や痔ろうは市販の薬では治せない病気です。放置して悪化すると癌につながったり、人工肛門をつけなければならなくなったり、人生に大きな影響を与えることになります。これらの症状を見かけたら早めに肛門科受診しましょう。

排便時以外も肛門に痛みがある

排便をする時以外でも、肛門付近が腫れているようにずきずきと痛んだり、熱を持ったりします。排便時以外に痛みがある場合は肛門周囲膿瘍の可能性がかなり高いので、恥ずかしがらずにすぐに病院へ行くことをおすすめします。

高熱が出たり、身体にだるさを感じる

細菌感染が原因で38℃前後の高い熱が出たり、身体がだるく感じることがあります。お尻の痛みに加えて風邪のような症状が出てきたら、肛門周囲膿瘍の可能性があります。

お尻から膿が出る

溜まった膿が何かの拍子に破れて、お尻から膿が出て下着を汚してしまうこともあります。お尻のできものなどから出た膿ではなく、肛門付近から出てきた場合は痔ろうの可能性がかなり高いと思われます。

毎日お疲れの働き盛りの人は要注意

お腹を壊しやすい主人が、長引く風邪で免疫力が下がっていた時に掛かってしまった痔ろうという病気。会社を1か月半休んで入院手術を受け、全快するまでに4か月もかかる大変な病気でした。

忙しく毎日を送っていると、軽く見てしまいがちの風邪や下痢ですが、こんな重大な病気に繋がってしまうこともあるのです。無理をしすぎて身体を壊してしまう前に、心と体の休息日をしっかりと作って、疲れやストレスをため込まないようにしましょう。